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COLUMN コラム

公益財団の医療法人による災害損失欠損金の繰戻還付制度について

活用すべき制度


新型コロナウイルスの影響を受けた公益財団医療法人も多いのではないでしょうか。
多くの企業が新型コロナウイルスによって経営が悪化し、赤字決算となってしまっています。
日本では、今回の新型コロナウイルスを災害認定したため、欠損金の一部が災害損失欠損金となります。
公益財団医療法人は災害のあった日が属する事業年度で生じた災害損失欠損金について、前事業年度だけでなく前々年度の黒字と通算し、法人税を還付することができるのです。
これを繰戻還付制度と言います。
しかし、どの医療法人でも適用されるものではありません。
青色申告書を提出している医療法人だけです。
白色申告書を提出している場合は前事業年度の黒字と通算することになります。
この繰戻還付制度を上手に活用すると、公益財団にかかる法人税の還付金額を増やすことができるでしょう。


該当するものとしないもの

公益財団などの医療法人が受けた新型コロナウイルスの影響は様々ですが、感染発生の防止のために必要なマスク、消毒液、空気清浄機などの消耗品の購入費用が最も大きくなる損失ではないでしょうか。
災害損失欠損金は損失に加えて、被害の拡大を防止するために緊急で必要な措置の費用も該当するということです。
また、災害損失欠損金に該当しない損失もあるため注意してください。
例えば、休業期間中に支払う人件費や患者さんの数が減ったことで収益が減ったなどです。
特に、医療機関では外来の患者さんの数が大きく減っているため、赤字も大きいでしょう。
しかし、減少額が災害損失欠損金に該当するわけではないため要注意です。
災害損失欠損金に該当する費用の請求書、領収書などを管理しておくことや、棚卸資産、固定資産を処分した時の損失も集計しておくと申告する際にスムーズです。
新型コロナウイルスはいつ収束するかわかりません。
共存していかなければなりませんが、医業収益が元に戻る目処が立たない病院もあるのではないでしょうか。
その場合は、繰戻還付制度で法人税を還付してもらい、資金繰りを改善していくことが大切です。