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COLUMN コラム

公益財団の医療法人における債務免除が法人税に与える影響とは

借金を返さなくても良くなる?


債務免除という言葉を聞いたことがある院長先生もいるのではないでしょうか。
公益財団医療法人などを経営する際に、法人税に影響を与える可能性があるため、債務免除について知っておくことが大切です。
どのような免除かというと、債権者が無償で債権を消滅させるという行為です。
債務者から見ると自身が持っている債権を放棄することになります。
これは、借金、負債を返済しなくてもいいということです。
経営難な公益財団医療法人は、経営不振を打破するために債務免除を利用するケースがあり、財務状況を改善できる可能性があるのです。
しかし、貸した側は簡単に応じてくれるわけではありません。
債務免除に応じてくれない場合は、裁判所が命じたり、倒産などによって債権者にメリットがある場合に実施されるのが一般的ですが、受け入れる側は慎重に検討する必要があります。
なぜなら、借りる時から返済できないことがわかっており、それを利用して借り入れを行う事業者がいるからです。
許してしまうと貸したお金は戻ってこないため気をつけてください。


デメリットもある


債務免除は一般的に債権者に合意してもらうところから手続きがスタートします。
合意を得たら書面で債権放棄を行う旨を通知してください。
この通知は一方的であっても手続きが完了しますが、税務申告のことを考えて内容証明郵便で通知することをお勧めします。
また、返済する必要がなくなるため利益が出ます。
利益が出ると純資産が増加し、自己資本比率が改善されますが、通常は債務超過による負担を軽減する目的で実施されるでしょう。
しかし、免除額分は債務免除益として益金に参入し、その金額に応じた法人税を負担しなければならないというデメリットがあるため気をつけてください。
経営難を解決するために実施しても多額の法人税を支払わなければならないというケースがあるということです。
メリットだけでなくデメリットもあるため、慎重に決断しましょう。
わからない場合や失敗しないように公益財団医療法人の専門家に相談しながら手続きを進めていくことをお勧めします。