これまでにはなかった分割制度

公益財団の医療法人を設立しようと考えている人は、分割制度について知っておきましょう。
これまで、公益財団の医療法人は事業譲渡することが可能でしたが、分割制度はありませんでした。
しかし、平成28年9月1日に分割制度ができました。
分割制度ができた理由は、様々な手続きをする上で煩雑な部分があったからです。
例えば、病院の廃止届出や新規に開設する際に許可が必要なこと、それぞれの債権者の承諾が必要になるなどが挙げられます。
分割制度ができたことによって、医療法人の分割が行いやすくなり、事例も徐々に増えてきています。
注意しなければならない点は、持分なしの医療法人のみが対象であることです。
持分のない公益財団などの医療法人しか分割制度を利用することができません。
現在、医療法人の大部分は持分のある医療法人が占めています。
そのため、多くの医療法人は対象外となります。
税制上の問題もあり、特定医療法人や社会医療法人も対象外です。
分割制度を利用するためには、公益財団などの持分がない医療法人を設立しなければなりません。

吸収分割と新設分割

医療法人における分割には、吸収分割と新設分割の2つの種類があります。
吸収分割はこれまでの医療法人に資産や負債を移転する分割方法です。
一方、新設分割は、新規に設立する医療法人に資産や負債を移転します。
公益財団であれば、理事の同意が3分の2以上必要です。
それだけでなく、都道府県知事の許可が必要なことや、財産目録や賃借対照表を作成しなければなりません。
分割における契約や、計画に基づく権利義務の承継のための手続きも必要です。
分割制度での税制上の扱い方についても知っておきましょう。
一般的に、共同で事業を行う場合の一定の要件を満たしていれば適格分割となり、薄価で分割継承法人に移転することが可能です。
移転する資産に含み益があっても、法人税など税制上で優遇措置が受けられます。
さらに、分割時の課税や資産の移行時に発生する消費税、不動産取得税も発生しません。
分割制度のメリットを理解した上で、上手に活用してみてはいかがでしょうか。