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COLUMN コラム

公益財団で出資持分のない医療法人へのスムーズな移行マニュアルとは

確認しておきたいこと


出資持分のある公益財団が出資持分のない医療法人になる時、確認しておかなければならないことがあります。
それは、マニュアルです。
マニュアル通りに進まないこともありますが、出来るだけスムーズに手続きをするためにはマニュアルは最低限把握しておく必要があります。
そもそも、なぜ出資持分のない公益財団に移行するべきなのかしっかりと理解していない院長先生もいるのではないでしょうか。
制度的な背景から、主に3つの課題があります。
一つは、解散する際に残余財産が分配されるため、公益財団における医療法人の非営利性が保たれないことです。
出資者に出資額に応じて分配されますが、これは余剰金の分配に該当するため、非営利性にかけるという指摘があります。
二つ目は、相続税の課税対象となり多額の相続税を支払わなければならないため、承継を危うくさせてしまう点です。
三つ目は払戻請求権が行使されると、医療法人の経営を圧迫させることが挙げられます。
このような課題があるため、持分ありのまま経営をしている医療法人は、移行を検討してみてはいかがでしょうか。


流れを把握しよう


マニュアルでは、まず移行計画の申請や定款変更について総会などで議決をし、話がまとまれば厚生労働省に申請をします。
厚生労働省が認定すると、認定を受けたことを記載した定款変更を都道府県へ申請し、認可がおりれば具体的な動きを考えていきましょう。
例えば、放棄の手続きや払戻がある時の対応などです。
そして、定款変更についてを総会などで議決し、再び都道府県へ申請して認可をもらいます。
認可がおりれば、持分なしへの移行が完了したことになり、その後は6年間、毎年運営状況を厚生労働省へ報告しなければなりません。
このような手続きをしている際中に相続や贈与など予想外のトラブルが発生することがあります。
その場合は税務署で納税猶予の手続きをしたり、期限までに持分を放棄したりすることができれば猶予税額の免除も可能です。
このように専門知識が必要だったり、臨機応変に対応したりしていかなければならないため、専門家に相談しながら進めていく必要があります。