出資持分ありとなしの違い


公益財団などの医療法人は基本的に、出資持分がないことが求められます。
それは、出資持分があることで相続があった際に相続税の負担が大きくなり、公益財団などの医療法人に出資持分の払戻請求を行う可能性があるからです。
また、払戻や放棄すると、他の出資者に対して贈与税がかかり、他の出資者が公益財団などの医療法人に払戻請求が行われる可能性も考えられます。
このようなことが行われると、経営が不安定になったり、継続するにあたって大きな影響を与えてしまうため出資持分がない医療法人の設立が勧められています。
平成26年に法律が改正され、出資持分ありから持分なしに移行することができるようになりましたが、移行時に贈与税がかかるため、この改正を利用する医療法人は多くはありません。
それだけでなく、10年間ほどは役員報酬が年3600万円以下に制限されたり、医療法人の財産を理事長が手に入れることが難しくなるなどのデメリットがあります。
そのため、出資持分ありの医療法人は出資金対策が必要になります。


認定医療法人制度を利用しよう

出資金対策の一つは、平成29年度に改正された認定医療法人制度を利用することです。
相続税の負担が医療法人の経営に影響を与えることを防ぐために、認定医療法人制度ができました。
これは、一定の要件をクリアしていれば、法人に対して贈与税を課税しないという制度です。
この制度を利用することで、出資持分ありの医療法人から出資持分なしに移行しやすくなるでしょう。
それでもこの制度を利用せずに、出資持分ありのまま経営を続けていくことを検討している法人は、より出資金対策が必要になってきます。
例えば、出資持分の評価引き下げ対策を行うなどです。
この効果は非常に薄いとされており、この対策をしている間に評価が上がってしまい、時間が経つごとに相続税問題も大きくなります。
評価引き下げのために不要な不動産を購入しない、不要な生命保険にも加入しない、相続税を払っても相続した財産は減らないようにするなどの対策が必要になるでしょう。
出資持分のある医療法人は、持分なしに移行するのか、対策をしながら持分ありのまま経営をするのか慎重に判断しなければなりません。