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COLUMN コラム

公益財団の医療法人に出資されたお金の考え方について

出資することができない法人


これまで出資持分のある公益財団などの医療法人を設立することができましたが、現在では不可能です。
できなくなった理由は、医療法が改正されて利益を追求しない非営利性を徹底するためです。
これは2007年から始まりました。
通常、出資持分というのは株式会社の株式のようなもので、出資した社員が退職するときにその分の金額を払い戻せます。
しかし、2007年以降の公益財団などの医療法人は、出資という形で資金調達することができなくなったため、その代わりに基金として調達することができるようになりました。
この基金は資本金として扱うことはできません。
そのため、出資持分のない公益財団医療法人の資本金はゼロになり、法人税の税額計算に大きな影響を与えます。


税負担が軽くなる


一般的に、法人税における所得金額を計算する際は、資本金がいくらかによって変わります。
寄付を行った時に損金算入できるのには限度額があり、これを計算する際に資本金の額が基礎になります。
しかし、基金は資本金に含まれません。
資本金の違いによって大きな影響を受けるのが均等割です。
これは住民税の基本料金として定められている金額であり、法人の場合は資本金と従業員数によって変動します。
例えば、資本金5000万円、従業員が50人以下の医療法人と、基金で5000万円調達した従業員数50人以下の医療法人を比較すると、資本金がある法人は18万円です。
基金がある法人は資本金がゼロであるため均等割は7万円です。
自治体によって異なりますが、均等割は毎年定額かかってくるため、大きな差だと言えるでしょう。
消費税については、基金が1000万円を超えても特典が受けられます。
このように、現在は出資持分の定めがない法人しか設立ができなくなり、非営利を追求しなければならない分、基金が資本金にならないことによって税負担が軽くなっているのが特徴です。
均等割も経営上有利に働きます。
これから公益財団などの医療法人を設立しようと考えている先生は、出資持分だけでなく基金の仕組みもしっかりと理解した上で経営をしていくことが大切です。