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COLUMN コラム

公益財団の医療法人による経費計上の考え方とは

個人と法人で異なること


公益財団などの医療法人は個人開業医と異なり、経費計上の仕方が異なります。
個人では、手取り金額を増やすために、経費を増やすという方法を用いて節税を行っているケースが多いですが、公益財団などの法人では税率が元から低く、800万円以下は約18%、800万円以上であれば約22%です。
税率が低いのは医療法人を設立するメリットですが、個人と医療法人では経費の概念が真逆なのです。
そのため、何が経費計上できるのかを知らなければ、間違った運営をしてしまうことになります。
税務署の見方も個人とでは異なるため注意してください。
医療法人では原則的に支出は経費であると見てくれます。
その中から役員がプライベートで使っているものを除くという考え方であり、理事長などが私的に使ったものは認められません。
個人であればプライベートな生活の中に事業があるという位置づけであるため、支出されているものは収入を得るために必要なものだと認められています。
この違いを知った上で、正しく計上することが大切です。


短期前払い費用の特例


前払い、後払いになるものについても知っておきましょう。
前払いになるものといえば、診療所の家賃や生命保険料です。
支払った段階では経費にはならず、後々計上することになります。
後払いになるのは電気料金などが挙げられます。
過去に使ったものの精算をすることになりますが、実際に使ったときの経費になるのです。
また、一定の要件を満たすと今期に1年分全額を経費計上できるケースがあります。
その要件とは、過大ではないこと、継続的に提供されていること、翌期以降で時の経過に応じて費用化されるもの、役務の対価であることなどです。
やりすぎた場合は、税務調査で指導が入ることや、毎月同じサービスが提供されている状態でなければならないなど条件がありますが、短期前払い費用は特例を上手に利用すると良いかもしれません。
また、公益財団などが運営する診療所、病院の家賃は高額であるケースが多いため、税務調査で担当者と揉めることも多いようです。
そのため、この特例を適用することはあまりお勧めではありません。