株式会社リアルコンテンツジャパン|医療法人設立などの医療・介護分野の専門家

COLUMN コラム

公益財団の医療法人による設立認可が取消された事例とは

解散しなければならないこともある


公益財団における医療法人を設立するためには、公益性が認められなければなりません。
書類の提出だけで公益財団が立ち上げられるわけではなく、要件を満たした上で審査などをクリアしていく必要があります。
煩雑な手続きには時間がかかり、専門的な知識が必要です。
そのため、多くの場合は公益財団に詳しい専門家のサポートを受けて立ち上げます。
様々な工程を経て設立した後は、適切な運営を心がけることが大切です。
なぜなら、認可が取り消された事例があるからです。
取消後は医療法人が解散となりますが、院長先生は個人で医院経営、病院経営は行うことができます。
しかし、新聞やネット上で認可が取り消されたという情報が掲載され、医院、病院の名称だけでなく院長先生の名前も公表されることになるため、個人で保険医の登録のために申請をしても受理されない可能性があるのです。
簡単に取り消されることはありませんが、どのようなことが原因で取消になるのか事例を知っておきましょう。


解散に至った事例


実際に解散に至った医療法人の事例の一つは、平成18年に起きた介護老人保健施設の認可取消です。
介護老人保健施設を運営していた医療法人は、施設管理者を決めていないまま運営を続けており、介護保険法に違反しているとして業務停止命令を受けました。
この施設では2000年あたりから医師や看護師の退職が続き、リハビリを担当する理学療法士がいない時期もあったそうです。
区などからも行政指導を受けており、立入検査が行われて改善を指導しましたが、状況が改善することなく安定的な経営が望めないという判断になり、解散となりました。
行政指導の内容は不明ですが、当時の規定であった医療法に定める自己資本比率20%以上が満たせず、決算の届出も提出されていなかったという理由から違反になってしまったのです。
このように、違反したからといってすぐに解散しなければならないということではありません。
指導があってから改善できれば問題なく運営の継続ができます。
今回の事例では院長先生自身がそれほど重大な原因ではないと思っており、その重大さを判断できなかったことが問題だと言えます。
医療法をしっかりと守って経営をしていくことが大切です。