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COLUMN コラム

公益財団の医療法人が経営難に陥る理由とは

経営がうまくいかない理由とは


個人開業が順調に行き、規模や収益の拡大のために公益財団医療法人を設立しようと考えている院長先生が多いですが、全てのケースがうまくいくというわけではありません。
中には経営難に陥る公益財団医療法人もあります。
経営難に陥る理由を知り、対策をしましょう。
公益財団に限らず、日本の病院の現場を見ると4割ほどが赤字だとされています。
7割が公立、国立、自治体の運営ですが、3割が公益財団などの医療法人です。
医療業界全体的にみても厳しい状況だと言えます。
また、東京は他の地域よりも赤字比率が高く、これは構造的な理由があると考えられています。
病院から得られる収入は入院診療と外来診療ですが、入院診療が6、7割を占めており、病床部分が固定費となるため稼働率が収益に影響を与えているのが現状です。
患者数に対して供給過多が起きると稼働率は低下し、在院日数が伸びると上昇しますが、医療費が増加するため持続することが困難です。


病床回転率と稼働率


小規模の医療機関では、病床回転率が低く、これが稼働率の上昇につながっています。
在院日数が長くなる理由の一つは、診断群分類に基づく1日あたり包括払い制度による影響です。
これは、これまでの出来高報酬体系と違って、同一疾患の患者については1日当たりの定額をあらかじめ算定します。
大規模な医療機関では、この制度が適用されており、在院日数が長くなると1日当たりの診療報酬点数は減少するため、日数単種のインセンティブが働きやすいとされています。
全体的な供給量が減ると在院日数が短期であっても稼働率が維持でき、全体的な医療費も抑えることが可能であるため、経営難に陥る可能性は低くなるでしょう。
病床数の削減や在院日数の短縮は医療法人にとってはメリットがあることですが、在宅医療が増加し患者さんの家族の負担が重くなるといった問題が発生します。
在宅での介護のために仕事を辞める人が増えると、社会全体での損失も大きくなるため、制度的な医療費の抑制はもちろん、患者さんの家族が行う在宅医療の負担を減らす取り組みもしていかなければなりません。