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COLUMN コラム

公益財団の医療法人に起こった乗っ取りの事例とは

乗っ取られる危険性がある


公益財団医療法人の運営中にトラブルが起きることがあります。
トラブルにも様々なケースがありますが、予想していなかった事態に陥ることもあるため、事例を知った上で対策をしなければなりません。
実際に起こった事件の一つに、乗っ取りがあります。
これは、経営状態が悪化している公益財団などの医療法人に対して経営の立て直しを目的に接近した人が法人を乗っ取ったという事例です。
役員や社員、事務長などのポストに就任したのち、最終的に医療法人を乗っ取りました。
経営を立て直すには税理士や手続きなどに詳しい専門家が必要だと主張し、仲間を社員に入れて多数派を形成し、理事長を追い出すという手口です。
公益財団などは出資の有無に関わらず、議決によって社員を就任することができます。
多数派の意見によって議決されるため、乗っ取りを計画している仲間の数が増えると組織は簡単に動いてしまうのです。
経営がうまくいっていないと、慌てたり焦って冷静な判断ができなくなる場合がありますが、悪意のある人が接近してくる可能性があると理解した上で、信頼できる人かどうかしっかりと判断する必要があります。


日頃から危機感を持つことが大切


公益財団の信用を利用して個人的な利益を得ようと考える人もいます。
計画通りに利益を得ることができたら姿を消して法人に多額の債務が残るといった事例もあります。
経営がうまくいっていない状態で財産が食い物にされると、さらに経営状況が悪化し、立て直せなくなってしまうかもしれません。
最悪の場合は、解散となります。
信頼しきっている人であれば、理事長印を預けても問題がないと思ってしまうでしょう。
しかし、法人名義で借金をしたり、私物を購入したりなど財産を手に入れようとする人もいるのです。
途中で気がつくことができれば最小限の被害で止めることができますが、信頼関係ができていると勘違いしていると疑うことがないため、姿を消した後に発覚します。
このようなトラブルが起こってからでは、簡単に対応することができません。
他人事だと思わず、日頃から危機感を持って経営をすることが大切です。