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COLUMN コラム

公益財団の医療法人に適用された関係事業者との取引報告制度とは 

関係事業者とのやりとりを報告する制度


平成29年4月2日から始まる事業年度より関係事業者との取引報告制度が開始されました。
公益財団における医療法人に関係する法律であるため、設立を検討している院長は知っておかなければなりません。
関係事業者との取引報告制度がどのような法律であるかというと、公益財団などの医療法人が一定の者と一定の取引を行った時に、その状況を決算届けに添付して都道府県庁に報告するといったものです。
この時の、「一定の者」と「一定の取引」については法律に詳しく規定されています。
まず、「一定の者」とは、公益財団に関わらず医療法人の役員や近親者において、その代表者である法人、株主総会や取締役会の決議嫌悪過半数を占めている法人などです。
他にも該当する法人が定められているため、確認しなければなりません。
文章で見ると複雑なイメージがありますが、身内やそれに近しい存在で行っている場合は当てはまる可能性があるため要注意です。



一定の取引の項目とは

「一定の取引」については、4つの項目が定められています。
一つは、やりとりした内容の会計上の区分ごとに事業における収益、費用、事業外における収益、費用の10%以上または特別利益、特別損失の1%以上で1000万円以上の場合です。
資産や負債額の合計金額が医療法人の総資産の1%以上を占めており、1000万円以上の残高である場合も該当します。
資金貸借や有形固定資産、有価証券の売買などにも注意してください。
1000万円を超えており、総資産の1%を占めていれば要件を満たしていることになります。
さらに、事業の譲受または資産、負債の総額の中で最も大きい額が1000万円以上であり、総資産の1%以上を占めている場合も注意が必要です。
ポイントは、1000万円以上であるか、それぞれの割合が1%、10%になるかで判断することです。
これらの項目に該当する場合は事業年度が終了した日から3ヶ月以内に事業報告書と一緒に提出しなければなりません。
MS法人と年間1000万円以上やりとりをしている財団は関係事業者との取引報告制度に該当する可能性が高いため、注意してください。