株式会社リアルコンテンツジャパン|医療法人設立などの医療・介護分野の専門家

COLUMN コラム

持分のある公益財団の医療法人を売却するときには

議決権について


近年、持分のある公益財団の医療法人は設立することができませんが、法律が改正される前は持分のある医療法人を設立することが許されていたため、そのまま経営をしている院長先生もいるのではないでしょうか。
いずれ持分のない公益財団などの医療法人に移行を検討することをお勧めしますが、経営が傾いたり、承継の問題で売却をしなければならないケースもあるはずです。
持分のある医療法人を売却するときのことについて知っておきましょう。
まず、持分の定めがある医療法人の株主を従業員ではなく、社員と呼びます。
院長先生は自分の持分を第三者に売却することが可能です。
医療法人を設立するにあたり、各都道府県の指導によって最低でも3名の社員がいます。
出資する時位は金銭だけが認められていたわけではなく、労務出資で社員に就任させることもできます。
そのため、医療法人の院長先生は自分だけで100%の持分を持っているというケースが多いです。
しかし、3名の社員がいると、院長先生が全ての持分を買ったとしても議決権が一人一票であるため過半数を超えることができないということになります。
売却する際、株式会社や公益財団など売り先は1つで問題ありませんが、社員3名とも売る必要があるため要注意です。


名簿を作ろう


売却する際に様々な手続きが必要になりますが、設立してからこれまでの社員の移動履歴を作成し、名簿を作らなければなりません。
名簿に記入する項目は氏名や出資額、持分の割合だけでなく、入社年月日、退社年月日、年齢や生年月日、性別、住所、職業なども必要です。
さらに法人社員の場合には、その法人名と住所、業種なども記載してください。
これは、厚生労働省も指導している内容であるため、漏れなく名簿を作ることが大切です。
また、株式会社に売却する際、持分を所有することは可能ですが、議決権がありません。
さらに、売却時の所得税は持分の売却益に対して20.315%となるなど、様々な決まりやルールがあります。
複雑な手続きも多いため、公益財団医療法人に詳しい専門家に相談してみてはいかがでしょうか。