株式会社リアルコンテンツジャパン|医療法人設立などの医療・介護分野の専門家

COLUMN コラム

公益財団の医療法人に出資されたお金の考え方について

出資金がない場合


近年、公益財団などの医療法人は出資持分の定めがある法人を設立することはできない決まりです。
なぜなら、非営利性を追求するためです。
しかし、出資がないと公益財団医療法人を運営することが難しいと感じるでしょう。
不特定多数に対して提供する医療サービスは、非営利性を徹底して追求することは大切ですが、収益を上げなければ運営することはできません。
その問題を解決するために、公益財団などの医療法人は出資金ではなく、基金を集めて資金調達をすることになります。
また、法人税は資本金の額によって扱い方が変わってきますが、基金の場合は資本金として扱われるのか疑問に思うでしょう。
適切に税務処理を行うためにも、基金について知っておくことが大切です。


税制面でのメリット


基金は資本金として扱われないため、資本金はゼロ円です。
そのため、法人税の税額計算に大きな影響を与えます。
一般的な法人の場合、資本金の額と従業員の数によって法人住民税の金額が変わります。
法人住民税は均等割になりますが、例えば、資本金5000万円、従業員が50人以下の場合、均等割の額は18万円です。
一方、基金が5000万円、従業員が50人以下の場合は資本金として扱われないため、均等割は7万円になるのです。
この均等割は毎年定額かかってくるため、経営を続けていくと差がどんどん大きくなってきます。
また、消費税にも影響を与えます。
資本金の額や出資額が1000万円以上の場合、新設法人の消費税納税義務免除の特例を受けることはできません。
しかし、基金はこの条件に当てはまらないため、例え基金が1000万円を超えていても特例が受けられるのです。
このように、公益性が求められる団体は税制面でメリットがあります。
税負担が軽くなると、経営も有利に進めていくことが可能です。
しかし、基本的な知識がなければ間違った税務処理をしたり、損をしたりする恐れがあります。
これから、出資持分の定めがない法人を設立しようと考えている院長先生は、最低限の知識を身につけておきましょう。
専門的なことは専門家に相談するのも一つの方法です。