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COLUMN コラム

公益財団の医療法人で分院長に賞与を支払いたい場合には

使用人兼務理事として支払うことが可能


公益財団などの医療法人を設立すると、分院することができるようになります。
これは個人開業にはないメリットです。
規模を拡大していきたいと考えている先生は、公益財団などの医療法人を設立してみてはいかがでしょうか。
また、分院をすると分院長を決めます。
その分院長に利益連動の賞与を支払うことができるのか気になっている先生もいるでしょう。
公益財団医療法人の理事長である院長先生のお給料は、毎月一定額でなければ、増額分が役員賞与として経費になりません。
分院長への賞与に関しても、利益に連動した賞与を支払うと経費にはなりません。
しかし、賞与があればやる気を出すきっかけになるため、利益連動分を支払いたいという理事長も多いはずです。
そこで、分院長に賞与を支払う場合には使用人兼務理事とします。
そうすることで、使用人の部分には他の社員と同様の基準でお給料を払い、さらに理事の部分には毎月一定額でお給料を支払うことになるため、経費として認められるようになるのです。


守らなければならない2つの要件とは


2つの要件を守らないと経費としては認められないため注意してください。
一つは、他の社員と同じ基準にすることです。
他の社員に対しても利益に連動した賞与を支払ってください。
二つ目は理事のお給料は一定にすることです。
理事に該当するお給料は毎月一定に設定し、給与台帳に記載する必要があります。
また、分院長が理事でなく、副理事や専務理事など特別な役職にしてしまうと使用人兼務理事として認められなくなるため注意してください。
さらに、理事長の親族も認められません。
馴れ合いで決めていると主張をしても税務署が認めないことがあるからです。
親族であれば役員賞与として認定されてしまいます。
勤務医から理事に任命する時には、使用人としての退職金を支払って経費計上することが可能です。
これは、使用人兼務理事という立場でも使用人の部分に退職金が認められているからです。
このように、支払うことは可能ですが、守らなければならない要件や気をつけなければならないことがあります。
適切に運営するためにも、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。