株式会社リアルコンテンツジャパン|医療法人設立などの医療・介護分野の専門家

COLUMN コラム

公益財団の医療法人同士の合併とは

M&Aは膨大な時間がかかる


公益財団などの医療法人同士で合併することがありますが、その際に注意しなければならないことがあります。
それは、消滅する公益財団などの医療法人の資産だけでなく、負債も含めて存続する医療法人に包括的に引き継がれるということです。
また、事業譲渡という方法で合併は行われません。
患者とは再契約をして、医師や看護師などの医療スタッフは一度退職してもらうことになります。
そして、新しく雇用契約を締結しなければなりません。
医薬品会社も同様に再契約を行う必要があり、銀行などの借入金に対しても借り換えをすることになります。
リースで医療機器を導入している場合は、買い取る必要があり、賃貸している駐車場は大家と交渉して地位の譲渡も行う必要があるなど、手続きの数が膨大です。
対象となる医院や病院の規模が大きいほど、時間も膨大です。
また、時間をかけても同じ条件で再契約できないケースがあります。
例えば、駐車場です。
病院、医院から離れていると、地主に別の使い道があれば断ることもあるでしょう。
以前使っていた駐車場が確保できないと、新しく探して契約するなど手間と時間がかかります。


気をつけなければならないこと


病床についても注意してください。
合併をしたからといって、そのまま病床も引き継げるわけではありません。
主務官庁の承認を得る必要があります。
まずは、主務官庁である都道府県に相談をして、申請書類を医療法58条の2に則って作成してください。
作成後は審査に進み、医療審議会による審議、許可書の公布へと進みます。
そして、医療法人が債権者へ2ヶ月間の催告となりますが、これは合併するときの決算書に計上されている債権者に全て合併するという通知を送る意味です。
これに反する者がいれば返済する義務が発生します。
一人でも通知が漏れることのないように、必ず伝えてください。
最後に登記申請をして完了です。
また、持分のある社団が持分のない公益財団になると、持分を放棄したとみなされて合併と同時に医療法人に多額の贈与税がかかってしまうということにも注意してください。