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COLUMN コラム

公益財団の医療法人におけるみなし役員について

どのような場合に該当するのか


公益財団医療法人に「みなし役員」がいるのかどうか気になる院長先生もいるのではないでしょうか。
法律上、役員は「株式会社の取締役などの従業員以外の者で、かつその法人の経営に従事している者」と定義されており、例えば、取締役、監査役、執行役、会計参与、理事、監事などで、登記されている人が挙げられます。
一方、役員ではありませんが、同じ扱いを受ける者のことを「みなし役員」といいます。
公益財団医療法人の場合、どういう場合にみなし役員になるのか気になるものです。
法人税法上、株式会社の取締役や医療法人の理事ではなくても、法人使用人以外の者で、その法人の経営に従事しているもの、同族会社の使用人のうちある要件を全て満たす者でその会社の経営に従事しているもの、のどちらかに該当する場合にみなし役員とされます。
これは、親族などに賞与を支払いたいという理由から取締役を退任させて、親族を従業員として働かせるという安易な方法を防ぐためにあります。


公益財団は該当しない?


公益財団医療法人の場合は、「同族会社の使用人のうちある要件を全て満たす者でその会社の経営に従事しているもの」には該当しません。
なぜなら、法人税法の2条に「会社」と記載されていて医療法人は「社団、財団」であり会社ではないため、とそもそもの定義から外れるからです。
また、実際に起きた国税不服審判所で、その裁決文の中に医療法人は同族会社に含まれてないとしています。
このことから、医療法人において「同族会社の使用人のうちある要件を全て満たす者でその会社の経営に従事しているもの」によるみなし役員の認定はあり得ません。
さらに、一つ目の「株式会社の取締役や医療法人の理事ではなくても、法人使用人以外の者で、その法人の経営に従事しているもの」では、医療法において役員は理事、監事に限定され、理事以外に実質的な法人の経営に従事することができないという考えがあるため、みなし役員という認定もないことになります。
このように、使用人兼務役員という制度が作れる一方で、みなし役員というリスクはないと言えます。