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COLUMN コラム

公益財団の持分なし医療法人の移行が進まない原因とは

進まない原因とは


昭和23年に制定された医療法人は現在で第8回目の改正が行われましたが、大きな変更があったのは平成19年の第5次改正です。
第5次では持分の定めを撤廃し、持分なし医療法人のみに限定したため、公益財団などを設立する際は持分ありでは認められません。
しかし、すでに持分がある状態で設立した公益財団はどうすればいいのでしょう。
基本的には、移行することとなります。
移行促進策の延長が行われましたが、移行が進んでいないのが現状です。
実際に公益財団などの団体の役8割が持分ありで運営しています。
移行が進んでない原因は様々ですが、一つは同族要件をクリアできてないことが挙げられます。
同族要件とは役員のうち同族が3分の1以下でなければなりません。
この基準をクリアできていない公益財団が多いのです。
また、理事や監事の人数などの基準も満たすことができず、贈与税がかかるということで利用されていないのが現状です。
このような原因があるため認定期間を3年間伸ばし、運営の適正性要件を加えて高かったハードルを大幅に緩和する措置をとりました。


相続問題に備えよう


相続はいつ発生するかわからない上に、持分なし医療法人に変更する際に発生する税負担は、認定制度を利用してもしなくても変わらないと思っている団体が多いようです。
しかし、認定制度の一番のメリットは相続税が発生した後に利用できることが挙げられるため、いつ発生するかわからない承継問題に備えるということは、とても大切なことだと言えるのではないでしょうか。
3年以内に変更しなければなりませんが、先延ばしにして期限が来るギリギリを狙う団体も多くあるでしょう。
持分なし医療法人になるかならないかで税負担が大きく異なるため、適正性要件を含めて認定を受ける手続きを進めたほうがいいかもしれません。
この基準は役員報酬について不当な金額にならないように定めていることや、役員数、親族要件、計画の記載が不要になり、比較的どの団体も手続きがしやすいです。
中には、形態を変えないまま運営していこうと考えているところもあるかもしれませんが、機会を無駄にせず、どうするべきか考えていく必要があります。