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COLUMN コラム

公益財団の医療法人における診療所開設の一体性緩和とは 

規制の緩和


公益財団の医療法人は一体性緩和が認められると、複数階で診療所を開設することができるようになります。
この一体性緩和によって、開業時の設備費用が抑えられるようになり、診察室や待合室の広さを拡大しやすくなります。
特に都市部は地価が高い傾向にあるため、一体性緩和は都市部で設立した公益財団などの医療法人にとって大きなメリットだと言えるでしょう。
複数の施設の間に道路がある場合は空中の渡り廊下でつなぐことを求めています。
これまでは複数のフロアにまたがって開設することができなかったため、階段やエレベーターの設置が求められていましたが、これは設備投資に莫大なお金がかかるため、頭を抱えた院長もいたのではないでしょうか。
お金の問題だけでなくスペースも狭くなるという問題もありました。
そこで、医師団体から規制を緩めてほしいという要望が出て、2005年の通知で厚生労働省は構造上の一体性が必要だと判断したのです。



テナントビルの問題

診療所専用の階段が必要になるテナントビルでは、階段の確保が難しいケースがあります。
そこで、保健所や賃貸人と事前に話し合いを行って、エレベーターの停止階を調整するなどの対策が必要になります。
このように様々な問題がありますが、複数階で開設ができればサービスにおける質が向上し、診察に必要なスペースが拡大すると新しいサービスに取り組める医療法人が増える可能性があるとみて、緩和を認めました。
これまでのように渡り廊下による接続ではない方法で一体性が確保できれば、テナントビルにおける複数のフロアでも開設がしやすくなり、公益財団などの医療法人は物件探しもしやすいはずです。
さらに、コストの負担も大幅に軽減されるでしょう。
保健所の確認や検査などもクリアしていかなければなりませんが、まずは財団の設立をしなければなりません。
公益性が求められる法人は、申請手続きも煩雑で時間がかかるものです。
規制が緩くなると運営がしやすくなりますが、それ以前に設立の問題をクリアしなければならないため、専門業者のサポートを借りつつ手続きを進めてみてはいかがでしょうか。