株式会社リアルコンテンツジャパン|医療法人設立などの医療・介護分野の専門家

COLUMN コラム

公益財団における宗教団体 

新制度における問題点

公益財団法人における制度改革が行われましたが、問題点が挙げられています。
制度改革の目的は、非営利で公益を目的とする民間非営利組織の拡充に向けた法制の整備を図ることです。
しかし、新しい公益法人制度改革では、宗教団体が明確に位置付けされていません。
これまで、宗教団体は、宗教文化の振興を通して、公益の増進に貢献してきましたが、現行民法の規定と著しく整合性を欠いていると問題視されています。
宗教法人が公益財団などの法人であることの説明が現行民法第34条が引用され、公益として祭祀や宗教と明記されていました。
しかし、制度改革によって、この記載がなくなると、宗教法人が公益法人であることの法的根拠がなくなってしまいます。
そのため、現行民法34条との整合性を図るよう要請されています。


公益性が求められる宗教団体

新制度の中には、公益的事業の例示の中に宗教が抜けており、これは、教育や文化、社会福祉などの公益の増進に寄与してきた宗教を軽視していると問題視されています。
現行民法第34条の祭祀や宗教を設立の根拠としている公益財団法人の多くは、宗教活動を主な目的としているわけではありません。
信教の自由の擁護や宗教文化の振興、擁護後援の活動、宗教に関する調査研究などの活動をしているのです。
しかし、公益的事業の例示の中に宗教がなくなってしまうと、公益財団法人が自らの設立根拠を失うことにつながります。
設立根拠がなくなると、公益財団法人として認定されなくなる恐れがあります。
宗教活動を行っている公益財団法人は、宗教法人法に基づく宗教法人への移行や、残余財団の宗教法人への帰属など、移行手続きを明示すべきであるという意見があります。
また、残余財団の帰属先は、これまでと同様に宗教法人を加えることを要請しています。
宗教法人の公益的事業を護持後援するために設立した公益財団法人の財産が失われることになりかねません。
様々な問題がありますが、宗教そのものに公益性があるのか、また宗教団体に公益制があるのかという問題を検討することが重要なことではないでしょうか。