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COLUMN コラム

公益財団における正味財産について 

3つの正味財産

公益財団における正味財産は、貸借対照表の正味財産の部分において、指定正味財産と一般正味財産の2つに区分されます。
また、平成20年会計基準が新制度によって新たに基金が導入され、法的性格は債務ですが、その劣後債務としての経済的特性に着目して正味財産に区分されるのです。
正味財産は基金、指定正味財産、一般正味財産の3つとなります。
3つの正味財産の種類について知っておきましょう。
指定正味財産は、会員などを含む寄附者から受け入れた財産のことです。
使用用途に制約があり、受託責任を明確にしなければなりません。
指定正味財産以外の正味財産については、一般正味財産として区分経理を行います。


報告義務を履行するにあたって

法人会計と同様に、受託思案に対する受託責任の履行状況の報告義務がある会計には、信託会計が制度化されており、信託財産と受託者の固有財産はそれぞれ会計主体が異なるため、受託者の分別管理義務を徹底し、固有勘定と信託勘定をそれぞれ独立させます。
資金、運用ともに固有勘定は、別勘定で計算、管理をする分別管理方法によって、受託者としての報告義務を履行してください。
これに対して、法人会計の受託者責任としての報告義務として機能する区分管理方法は、公益法人の事業活動の運営面上、受託財産の運用が一体化しているため、資産サイドは区分経理になじみません。
そのため、同一勘定の枠内で貸借対照表、正味財団の部と正味財産増減計算書について、それぞれ指定正味財産、正味財産に区分経理し、受託者責任履行状況と事業効率測定の報告目的に対応することになるのです。
公益財団法人における正味財産は、負債を差し引いた純資産が該当します。
多くの公益財団法人では、資産の部にある基金という勘定科目がありますが、正味財産の部の基金を設定していません。
基金は一般法で定められていますが、従来からの公益財団法人が設定している基金とは異なるため、注意してください。
将来計画の目的のために積み立てをして、資産の部に基金という勘定科目を設定している公益財団は多いですが、正味財産の部で設定した基金は資本金の意味を持ちます。