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COLUMN コラム

公益財団における株式保有の制限 

公益財団法人が株式を保有する場合

公益財団法人は、公益法人認定法第5条15号において「他の団体の意思決定に関与することができる株式その他の内閣府令で定める財産を保有していないものであること」とされていますが、「当該財産の保有によって他の団体の事業活動を実質的に支配する恐れがない場合として政令で定める場合は、この限りではない」と定められています。
そのため、公益財団法人は株式を保有することが許されていないというわけではなく、保有を制限されているのです。
公益財団法人における株式の保有の制限は、認定基準があります。
株式の保有に制限を設ける理由は、公益財団法人が株式等の保有を通じて営利法人等の事業を実質的に支配することによって、公益目的事業比率が50%以上という認定基準を免れないようにするためです。


株式の管理、処分を第三者に信託することができる

公益財団法人が法人の財産として他の企業の株式を保有する場合、しっかりと管理しなければなりません。
株式を管理するということは、議決権の行使や株式自体の処分をどうするかという問題が発生します。
そのため、株式の管理や処分を第三者に信託して委ねたいと考えている財団もあるのではないでしょうか。
公益財団法人が株式を信託して、株式の名義人を公益財団法人以外の第三者に管理、処分を行わせることは可能です。
この場合、公益財団法人にとってのメリットは、管理をしなくて良くなるため、処分等の決議を不要できることです。
また、公益財団法人が決議権行使の都度、意思決定を行わなくて良いこともメリットです。
しかし、公益財団法人において目的事業に不可欠なものとして定款で定めた基本財産があるとき、維持しなければならず、または目的事業の妨げることとなる処分をしてはならないと規定されています。
他には規定がないため、株式が基本財産に該当するかの解釈は委ねられるでしょう。
株式が基本財産に該当するのであれば、公益財団法人は自由に処分、信託することができなくなってしまうため、注意してください。
基本財産にあたるかどうかは、法人自らが判断をして、基本財産を定款で定めた場合には維持し、処分について理事の注意義務と責任の具体的な内容を法人で判断し、定款で定めて規則などを決める必要があります。