【クリニック経営者必見】化粧品販売業に必要な許可とは?開業前に知っておくべき行政手続きのすべて

クリニック開業・経営

2025/6/12 2026/1/23

この記事の監修

古川 晃

行政書士法人RCJ法務総研 代表 / 行政書士 
株式会社リアルコンテンツジャパン(経済産業省認定経営革新等支援機関) 代表取締役

古川 晃

医療許認可の専門家として17年、医療法人設立・分院開設・合併・解散・一般社団法人による診療所開設など医療許認可1500件以上 クリニック様の助成金・補助金・融資などの資金調達100億円以上の支援実績

近年、美容皮膚科や自由診療を中心とするクリニックでは、自院で開発・監修した「ドクターズコスメ」や、厳選した高品質なスキンケア商品の販売によって、新たな収益源を築くケースが急増しています。

しかし、「化粧品を販売するだけ」と軽く考えて始めると、法令違反で指導や処分の対象になるリスクも。

販売に必要な許可や手続き、広告表現に関する規制を正しく理解していなければ、信頼性を損なう大きなダメージになりかねません。

本記事では、

  • 化粧品販売業に必要な「化粧品製造販売業許可」や「店舗販売業許可」などの制度
  • 開業に必要な行政手続きと流れ
  • 違反事例とリスク管理
  • 専門の行政書士を味方につける重要性

 

について、クリニック経営者が知っておくべき実務のポイントを徹底解説します。

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目次[非表示]

第1章:化粧品販売業とは?医薬品販売業との違い

まずは、化粧品販売業の基本的な定義と、よく混同される「医薬品販売」との違いを整理しましょう。

項目 化粧品(一般の小売販売) 医薬品販売業(店舗販売業など)
主な目的 清潔、美化、魅力を増す、健やかに保つなど、作用が緩和。 疾病の診断、治療、予防など、身体の構造・機能に影響を及ぼす。
許可の必要性 不要

(国内の製造販売業者が流通させたものを小売する場合)。

必要

(薬局、店舗販売業などの許可)。

専門家の配置 不要。 必要

(薬剤師または登録販売者)。

分類

(薬機法)

化粧品 医薬品

(要指導医薬品、第1類~第3類医薬品)

効能・効果 「肌を整える」「皮膚の乾燥を防ぐ」など、定められた穏やかな範囲内。 「頭痛・生理痛に効く」「胃のもたれを改善する」など、具体的な治療・予防効果。

化粧品とは何か?

化粧品は、薬機法において「身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、皮膚や毛髪を健やかに保つために使用されるもの(作用が緩和なもの)」と定義されています。

例:

  • 化粧水、乳液、美容液
  • 洗顔料、シャンプー、リップクリーム
  • メイクアップ製品(口紅・ファンデーションなど)

医薬部外品・医薬品との違い

分類 目的 許可の種類
化粧品 外見の美化・皮膚の保湿など 化粧品製造販売業/販売業
医薬部外品 軽度な防止・衛生目的(防臭など) 医薬部外品製造販売業
医薬品 疾病の治療・予防 医薬品製造販売業/薬局開設など

化粧品と医薬品では販売・広告のルールや許認可が大きく異なるため、自院で取り扱う商品がどこに該当するのかを明確にすることが最初のステップです。

第2章:クリニックで化粧品を販売するには何が必要?

クリニック(医療機関)が化粧品を販売する際に、どのような許可が必要かは、その化粧品の仕入れ方や販売方法によって異なります。

販売する化粧品の種類によって、必要な許可の有無が分かれます。

化粧品販売には「許可」が必要

販売形態によって、必要な許可や届出が異なります。

① 店舗販売を行う場合

  • 化粧品製造販売業許可(必要に応じて)
  • 店舗販売業許可(薬局開設を除く)
  • 販売店舗ごとに構造設備基準への適合

 

なお、医療法人はそもそも本来業務・附帯業務・附随業務しかできないため、その範囲でなければ物品の販売はできません。

例えば、医療行為の一環として診察をして処方をするのであればOKですが、患者さん以外に診察を経ず販売をするというのは販売業になってしまい不適切と解されています。

そのため、一般販売がしたければ株式会社や一般社団法人など医療法人とは別の法人を検討する必要があります。

②他社製品の委託販売

他社製品を仕入れて小売販売する場合、多くは自身での「製造販売業許可」などは不要です。

しかし、この販売行為において、最も重要なリスクは違法な表示や広告に加担し、販売者も処分対象となる可能性です。

具体的には、店頭のポップやウェブサイト、スタッフの口頭説明などで、化粧品として認められた範囲を超える「効果効能」(例:「シミが完全に消える」「病気が治る」など)を謳った場合、製造販売業者だけでなく、販売者であるクリニックも薬機法や景品表示法上の責任を問われるリスクがあります。

したがって、販売を行う際は、メーカー提供の販促物であっても内容を厳しくチェックし、「広告・表示」に関する法令遵守(コンプライアンス)を徹底することが極めて重要です。

  • 自身での許可不要なケースもあるが、違法表示に加担するリスクあり
  • 「効果効能」など不適切な表現をすると販売者も処分対象になる可能性

 

第3章:申請から販売までの流れ

許認可が必要な場合、以下のようなステップで進行します。

①販売計画の策定・商品区分の確認

(何)を(誰)に(どのように)売るか明確にし、対象商品が医薬品、医薬部外品、化粧品のどの区分に該当するかを特定します。

②販売施設の整備(要件を満たす設備)

GQP(品質管理基準)やGVP(安全管理基準)を適切に行うための、適切なスペースや保管設備など、法的な要件を満たす場所を確保します。

③責任者(総括製造販売責任者)の確保

薬機法で定められた資格要件を満たす責任者を配置します。

この責任者が、品質と安全の管理体制を統括します。

申請前に、施設や責任者の要件、事業計画などが法令に適合しているか、管轄の薬務課へ確認します。

これにより、申請後の不備や手戻りを防ぎます。

④都道府県薬務課への事前相談

申請前に、施設や責任者の要件、事業計画などが法令に適合しているか、管轄の薬務課へ確認します。

これにより、申請後の不備や手戻りを防ぎます。

⑤許可申請書類の作成・提出

施設図面、責任者の資格証明、組織図、業務手順書など、多岐にわたる必要書類を作成し、提出します。

⑥現地調査・審査

薬務課の担当者による施設や設備、書類記載内容、責任者の体制などの現地確認が行われます。

⑦許可証の交付 → 営業開始

審査に合格すれば、許可証が交付され、初めて化粧品を市場に出荷・販売する(製造販売する)営業活動が可能となります。

 

所要期間は早くても約2ヶ月~3ヶ月以上かかる見込みでゆとりを持って準備をしましょう。

提出書類は10点以上に及ぶことも。

手続きミスや構造不備による「再申請」リスクも高いため、医療や薬機法に長けた行政書士の専門的サポートが不可欠です。

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第4章:化粧品販売でやりがちな違反とリスク

化粧品ビジネスにおいて、ルールを知らないことは単なるミスでは済まされず、「事業停止」や「社会的信用の失墜」に直結します。

ここでは、現場で特に発生しやすい3つの違反カテゴリーと、そのリスクについて解説します。

化粧品販売で「やりがちな」違反行為(法令遵守の落とし穴)

まずは、特に発生頻度が高く、行政からの監視も厳しい「3つの典型的な違反カテゴリー」を紹介します。

これらは、ついやってしまいがちな表現や行為ですが、法的には完全にアウトとなるものです。

効果・効能の誇大広告による薬機法違反

最も頻繁に見られる違反は、広告における表現の逸脱です。

化粧品には、肌を整えたり、潤いを与えたりする目的で56項目の限定された効能しか認められていません。

「この美容液でシミが完全に消える」「たるみが治る」「アトピーが改善する」といった、疾病の治療や予防を連想させる医薬品的な効果を謳うことは、誇大広告と見なされ、薬機法違反となります。

これは店頭のPOP、ウェブサイト、SNS、さらにはスタッフの口頭説明でも適用されます。

無許可販売による薬機法違反

単なる小売販売(仕入れてそのまま売る)であれば許可は不要ですが、自社で企画・開発した化粧品を販売する場合や、販売の最終責任を負う立場になる場合は、「化粧品製造販売業」の許可が必要です。

この許可を持たずに、責任主体として販売を行うことは、違法な無許可販売に該当します。

特に規制が厳しい医薬部外品を扱う場合は、さらに高いハードルが設定されます。

製造表示の不備

製品パッケージへの表示義務を怠ることも重大な違反です。

全成分の正確な表示、製造販売業者の名称および所在地、製造番号(ロット番号)などの法定表示事項にミスや欠落がある場合、製品の追跡可能性や安全管理に支障をきたし、薬機法違反となります。

違反時のリスク

違反した場合のリスクについても解説します。

業務停止命令・罰金

行政当局(厚生労働省や都道府県薬務課)による立ち入り検査や指導の末、違反の程度によっては業務停止命令や営業許可の取り消しといった重い行政処分が下されます。

また、多額の罰金が科せられる可能性もあります。

クリニック全体の信頼失墜

法令違反は、社会的な信用を失墜させます。

特に医療機関やクリニックは高い倫理性が求められるため、信頼回復は極めて困難です。

顧客離れが加速し、事業の継続が困難になるほどの経済的損失を被るリスクがあります。

製品回収と法的責任

表示の不備や安全性に問題があると判断された場合、製品の回収命令が出されます。

また、誇大広告などにより消費者に誤解を与えた結果、健康被害や金銭的なトラブルが発生した場合、民事上の損害賠償責任を追及される可能性も生じます。

こうしたリスクを防ぐためには、商品の選定・表示・広告に至るまで専門家のチェックを受けることが極めて重要です。

第5章:行政書士を味方につけるべき理由

化粧品販売業においては、「手続きの難しさ」だけでなく、「薬機法や景表法などの複雑な法規制への対応」が求められます。

この分野に詳しい行政書士に依頼するメリット

行政書士に依頼するメリットをいくつかご紹介します。

必要な許認可の正確な特定

販売形態や製品の分類(化粧品、医薬部外品など)に基づき、「化粧品製造販売業」など必要な許認可を正確に判断し、事業計画の基盤を固めます。

構造設備の整備・事前相談の代行

施設が法的な要件(GQP・GVP)を満たしているかの確認や、管轄の都道府県薬務課への事前相談を代行し、スムーズな行政手続きをサポートします。

書類作成・添付書類の収集の代行

申請に必要な膨大な書類作成や添付書類の収集を代行し、書類の不備による審査の差し戻しを防ぎ、開業の遅延リスクを回避します。

販売後の広告表現や違反リスクのチェック

薬機法上の効能範囲を逸脱していないか、景表法上の優良誤認表示に該当しないかなど、広告表現の適法性を事前にチェックすることで、行政処分やSNS炎上などのリスクを未然に防ぎます。

行政とのやりとり(指導対応含む)のサポート

行政からの問い合わせや指導が入った際に、専門家として対応をサポートし、事業者の負担を軽減しつつ、適切な是正措置を講じることを助けます。

依頼しないと陥る落とし穴

依頼しないデメリットも併せてご紹介します。

誤った分類で「医薬品扱い」と判断され処分

製品の分類を誤ることで、実際は医薬品扱いとなるべき製品を化粧品として販売してしまい、無許可販売と判断されて重い行政処分を受ける可能性があります。

審査で何度も差し戻され開業が遅れる

申請書類の不備や設備の要件不足で審査が何度も差し戻され、開業が大幅に遅延し、その間の賃料や人件費などの無駄なコストが発生します。

不適切な広告でSNS炎上や風評被害

法律を無視した不適切な広告表現を行った結果、消費者からの批判によるSNS炎上や、行政指導による風評被害に繋がり、クリニックや企業全体の信頼が失墜します。

第6章:まとめ|新たな収益源にこそ慎重な体制を

クリニックでの化粧品販売は、高収益・ブランディングの観点から非常に魅力的な展開ですが、それは「適切な許認可体制と法令順守」が前提です。

安易に「売れそうだから」「患者に喜ばれそうだから」と導入してしまうと、取り返しのつかないトラブルに繋がります。

【ご相談はお早めに】行政書士があなたのクリニック経営をサポートします

当事務所では、美容クリニック・皮膚科クリニックを中心に、化粧品販売業や医薬品販売業の許認可手続き、薬機法・広告規制への対応を数多くサポートしています。

  • 初めての許認可取得で不安…
  • ECサイト展開と連動した販売戦略を検討中…
  • 現在の広告が違反していないかチェックしたい…

このようなお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。

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