【保存版】クリニック内装の完全ガイド|失敗しない設計・工事・行政手続きのすべて

クリニック開業・経営

2025/6/12 2025/6/19

この記事の監修

古川 晃

行政書士法人RCJ法務総研 代表 / 行政書士 
株式会社リアルコンテンツジャパン(経済産業省認定経営革新等支援機関) 代表取締役

古川 晃

医療許認可の専門家として17年、医療法人設立・分院開設・合併・解散・一般社団法人による診療所開設など医療許認可1500件以上 クリニック様の助成金・補助金・融資などの資金調達100億円以上の支援実績

クリニックの開業において「内装」は、単なるデザインの話ではありません。

患者の印象や診療効率、安全性、法令遵守にまで深く関わる極めて重要な要素です。

特に医療機関では、保健所や消防署などの厳しい基準に適合した設計・施工が求められ、内装工事には必ず「許認可との整合性」が求められます。

本記事では、クリニック内装に関心のある経営者の方へ向けて、設計・施工における注意点や行政手続きの全体像、医療分野に強い行政書士を活用すべき理由まで、網羅的に解説します。

1. 内装設計はなぜ重要か?

「清潔感」「安心感」「プライバシーの確保」「バリアフリー対応」など、内装の印象は患者の信頼形成に直結します。

スタッフの動線や働きやすさも重要です。特に美容クリニックや自由診療クリニックでは、ラグジュアリーな雰囲気や動線設計がブランド価値を高める重要要素であったり、自院のコンセプトとターゲットの好みも考慮して設計する必要があります。

医療法や建築基準法への適合が必要不可欠

医療機関の内装には、以下のような規制が存在します:

  • 診療所に必要な最低面積
  • 感染症対策(空調・換気の設計)
  • 消防法による避難経路の確保
  • 障がい者対応(バリアフリー設備)
  • 医療用ガスや放射線設備が必要な場合の構造要件
  • その他、都道府県による条例等

 

2. クリニック内装で失敗しがちなポイント

設計変更で予算が膨張

「途中で消防署に指摘を受けて壁を追加した」「診察室の面積が基準に足りなかった」など、設計ミスが致命的な予算オーバーを招く例は少なくありません。

許可申請が通らない

例えば保健所の構造基準を満たさない設計では、「診療所開設許可」が下りません。

内装業者が医療施設特有の法令を知らず、あとから行政対応をやり直すケースもあります。オシャレなカフェを作るのとは違います。

必ず診療所を多く手がけた実績のある業者を選びましょう。

動線・ゾーニングの欠陥

受付・待合・診察・処置室などの「導線設計」が不適切だと、業務効率が落ち、スタッフのストレスやミスを招く原因になります。

3. 設計・施工前に知っておくべき許認可と法令

開業前に必要な主な手続き一覧(必ず工事着工前に事前確認)

手続き名 担当行政 備考
診療所開設許可・開設届 保健所 建物図面や内装図面を添付
防火対象物使用開始届出 消防署 内装に関連する防火設備の確認
医療機器設置届関係 保健所 X線装置・超音波機器等を使用する場合
廃棄物処理契約書の提出 保健所 医療廃棄物の管理体制が必要

法的に注意が必要な規制

  • 建築基準法(用途地域や耐震)
  • 医療法施行規則
  • 消防法
  • 労働安全衛生法
  • バリアフリー新法
  • その他都道府県による条例

 

追加で後になって避難経路の確保や非常口のサインなどの設置など追加工事が必要ということが分かり予算をオーバーする事例もあります。

必ず工事前にそもそも消防法についてチェックできているか確認をしましょう。

4. 内装工事に関する行政手続き一覧

内装計画は、次の行政手続きと密接に関係します。

工程 関連手続き 担当機関
基本設計 建築確認申請 建築主事(自治体)
実施設計 診療所開設事前相談 保健所
工事前 消防設備計画届出 消防署
工事中〜完了 検査済証の取得 建築士・行政
内装完了後 診療所開設届 保健所

5. 行政書士がサポートできること

医療機関の内装工事は「行政手続きと一体」で進めなければ、取り返しのつかない事態にもなりかねません。医療専門の行政書士は次のような支援が可能です。

  • 保健所との事前協議の代行
  • 図面の法令適合性チェック
  • 消防・建築・医療法規との整合性確認
  • 必要な添付書類の収集と作成
  • 業者と行政の橋渡し役 

なお、最近は減ってきましたが、コンサルティング会社や、ディーラーなどが自社商材購入のサービスの一環として開設届などの提出を代行してくれたりすることがありましたが、実は行政書士でないものが行政手続きの代行を行うことは、行政書士法違反です。

無資格業者側だけでなく、依頼者側も罰せられる可能性があります。

※行政書士法違反の罰則は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金

6. 内装業者選びと行政対応のバランス

業者だけに任せるリスクとは?

内装業者に全てを任せた結果、「保健所が認めない仕様で設計されていた」「消防法の基準を満たしていなかった」ために追加工事費用が発生し診療開始が遅れたり、トラブルは非常に多いです。

医療施設特化の内装業者であっても、医療専門の行政書士と連携していなければ法令違反のリスクはゼロではありません。

最適なチーム構成

  • 医療施設専門の内装業者(設計・施工)
  • 医療許認可に詳しい行政書士
  • 医療機器ベンダーやシステム業者 

これらが三位一体で連携することで、効率的かつ法令適合性の高い内装が実現できます。

7. 内装工事の流れと必要書類チェックリスト

工事の一般的な流れ

  1. 物件決定・契約
  2. 内装設計(図面作成)
  3. 行政との事前相談
  4. 各種届出書類の作成
  5. 内装工事の開始
  6. 中間検査・消防署対応
  7. 保健所職員の実地検査・開設届出
  8. 開業・診療開始 

必要書類例

  • 平面図・立面図・ゾーニング図
  • 医療廃棄物の処理契約書
  • 使用医療機器一覧(X線など)
  • 消防計画書類
  • 診療所開設届出書 

8. 専門家を入れずに進めた結果…よくあるトラブル事例

  • 「開業日が延期」:保健所の指摘で再施工が必要に
  • 「想定以上のコスト増」:法令修正対応で再設計・追加工事
  • 「そもそも開設許可が下りない」:内装設計が基準を満たしていなかった 

こうしたリスクを避けるためにも、内装と行政の両面からサポートできる行政書士の存在は不可欠です。

9. よくある質問(FAQ)

クリニックの内装に関するよくある質問と回答をご紹介します。

Q1:内装業者が保健所対応もやってくれるのでは?

A1: 一部業者は対応可能ですが、法的責任は医療機関側にあります。行政書士に相談し、法的リスクを未然に防ぎましょう。

Q2:テナント契約前に行政相談すべき?

A2: はい。場所によっては用途制限があり、そもそも開業できないことも。契約前に行政書士が事前調査を行うのが安全です。

10. 行政書士へのご相談はこちらから

クリニックの開業や内装工事には、建築だけでなく法的整合性が求められます。

専門の行政書士と連携することで、安心してスムーズに開業まで進めることができます。

✅ 内装設計前の段階からご相談可能です!
✅ 保健所・消防・建築対応まで一括支援!
✅ 初回相談無料。お気軽にお問い合わせください。

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おわりに

内装は見た目や機能だけでなく、開業の成否を大きく左右する「法的プロセスの一部」です。

施工トラブルや行政指摘を未然に防ぐためにも、必ず医療専門の行政書士とともに進めてください。

あなたのクリニック開業が、円滑で安全なスタートを切ることを心から願っています。

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