美容クリニックで再生医療を用いて成功するビジネスモデルとは?【2025年版】
美容クリニック開業
2025/5/19
2025/5/20

この記事の監修

行政書士法人RCJ法務総研 代表 / 行政書士
株式会社リアルコンテンツジャパン(経済産業省認定経営革新等支援機関) 代表取締役
古川 晃
医療許認可の専門家として17年、医療法人設立・分院開設・合併・解散・一般社団法人による診療所開設など医療許認可1500件以上 クリニック様の助成金・補助金・融資などの資金調達100億円以上の支援実績
美容医療の分野において、再生医療の導入が注目を集めています。
幹細胞治療やPRP療法など、最先端の再生医療を活用することで、高付加価値のサービス提供が可能になり、美容クリニックの差別化や収益力向上にも直結します。
しかし、再生医療を導入するには、専門的な許認可手続きや厳格な管理体制が求められ、適切な法的手続きと体制整備ができていなければ、医師個人や法人に重い行政処分が課されるリスクもあります。
本記事では、美容クリニックにおける再生医療ビジネスの成功モデルと、その導入に伴う行政手続き、許認可取得の重要性について詳しく解説します。
1. 再生医療が美容クリニックにもたらすビジネスチャンス
1-1. 市場の拡大と高価格帯メニューの需要
再生医療等製品市場は、国内外で急成長中です。美容領域では、以下のような高単価・高満足度の施術が可能です。
- PRP療法(血小板由来成分で肌の再生を促進)
- 幹細胞培養上清液治療(しわやたるみの改善、エイジングケア)
- 自家脂肪由来幹細胞の注入(バストアップ・肌質改善)
これらの治療法は、保険外診療であるため自由診療価格で提供でき、1回あたり10〜30万円以上の売上が見込めます。
1-2. リピート率とLTV(顧客生涯価値)の高さ
再生医療は複数回の施術を必要とするケースが多く、継続的な通院が前提となるため、LTVの向上にもつながります。
2. 再生医療導入に必要な手続きと許認可
再生医療は「再生医療等安全性確保法」によって厳格に管理されており、提供には複数の許認可が必要です。
2-1. 再生医療提供計画の届出(厚生労働省)
提供する治療内容によって、第一種・第二種・第三種に分類され、それぞれに応じて届出が必要です。
第一種:これまでヒトに実施されたことが極めて少ないため、既知・未知を含めてリスクが高く想定されるもの(ES細胞、iPS細胞や、他人の体性幹細胞を利用するもの)
第二種:すでにヒトに実施されたことがあり、中程度のリスクを見込まれるもの(患者自身の体性幹細胞などを利用するもの)
第三種:もともと細胞が持っている機能を利用し、大きな操作を加えないため、大きなリスクは想定されないもの(加工を施した体性細胞を利用したものなど)
2-2. 特定細胞加工物製造許可・届出
治療に用いる細胞加工物をクリニック内で製造する場合、細胞加工施設の整備と製造許可の取得が必須です。
外部の細胞加工業者に委託する場合は不要ですが、その場合は委託先の許可確認や契約管理が重要です。
2-3. 倫理審査委員会の設置・審査
再生医療の提供には、認定再生医療等委員会による審査が必要です。
独自に設置することも可能ですが、コストや体制面での負担が大きいため、多くのクリニックは外部委員会との契約によって対応しています。
3. 許認可の取得・維持を怠るとどうなる?
以下のような事例が実際に発生しています:
- 無届けでPRP療法を提供し、行政指導・保健所の立入検査
- 細胞加工施設の要件不備により、業務停止命令
- 倫理審査なしで幹細胞治療を実施し、公表されブランド毀損
これらはすべて、行政手続きを怠ったことによるリスクであり、経営上の致命傷となり得ます。
コンプライアンスリスクは最も致命的なリスクになり得ます。
4. 成功する再生医療ビジネスモデルとは?
成功している美容クリニックは、次のようなポイントを押さえています。
4-1. 標準メニューに「再生医療」を組み込む
ヒアルロン酸やボトックスなどの人気メニューと再生医療を組み合わせたコンビネーション施術により、単価の引き上げと差別化を実現。
4-2. 委託でリスクとコストを抑える
細胞加工や倫理審査は外部業者との提携を活用することで、手続きの煩雑さを減らし、初期コストも最小限に。
4-3. 再生医療分野に精通した行政書士によるトータルサポート
許認可の申請などは、医療手続きに精通した行政書士が伴走することで、確実・迅速に進行可能です。
5. 再生医療分野に行政書士を味方につけることの重要性
5-1. 複雑な書類作成・法令対応のプロ
再生医療に精通した行政書士は、再生医療等提供計画や細胞加工物製造許可の申請書類を、法的要件を満たした正確な形で作成・提出できます。
また、行政とのとのやりとりも代行可能です。
5-2. 経営リスクの未然防止
定期的な手続きや計画の更新を怠ると、重大な違反につながります。
専門家の継続的なサポートにより、リスクを未然に防ぐことができます。
5-3. 事業スピードと安全性の両立
早期にサービスをスタートしつつ、法令遵守も徹底するには、ビジネスと法務の橋渡しができる行政書士の存在が不可欠です。
6. まとめ|再生医療の導入は行政書士と共に
再生医療は、美容クリニックにとって収益力とブランディングの両面で非常に大きな可能性を秘めた分野です。
しかし、その導入には高度な許認可手続きと厳格な法令対応が必要であり、これを甘く見て導入した場合、重い処分や経営の打撃となるリスクもあります。
確実かつスムーズに再生医療を導入するには、医療専門の行政書士をそばに置くのが最善策です。
再生医療を導入したい方、法令対応に不安を感じている方は、ぜひ当事務所までご相談ください。
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