【開業】美容クリニックの内装デザインで失敗しないための完全ガイド

美容クリニック開業

2025/5/1 2025/5/1

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この記事の監修

古川 晃

行政書士法人RCJ法務総研 代表 / 行政書士 
株式会社リアルコンテンツジャパン(経済産業省認定経営革新等支援機関) 代表取締役

古川 晃

医療許認可の専門家として17年、医療法人設立・分院開設・合併・解散・一般社団法人による診療所開設など医療許認可1500件以上 クリニック様の助成金・補助金・融資などの資金調達100億円以上の支援実績

美容クリニックの開業において、「内装デザイン」は非常に重要な要素のひとつです。

ただ美しく仕上げるだけでなく、ブランディングや集患、さらにはスタッフの働きやすさにまで影響を及ぼします。

本記事では、美容クリニックの内装デザインで失敗しないために知っておきたいポイントを、実例や費用相場を交えながらわかりやすく解説します。

行政手続きや許認可についても触れていますので、開業準備中の方はぜひ参考にしてください。

① 美容クリニックの内装が重要な理由

まずはなぜ美容クリニックの内装が重要なのか?について解説します。

第一印象が重要

美容クリニックに来院する患者さまは、不安や緊張を抱えていることが少なくありません。

最初に足を踏み入れる受付や待合室の印象が「このクリニックなら安心して任せられそう」と思わせることができれば、その後の信頼関係にもつながります。

清潔感や高級感、リラックスできる雰囲気など、内装が与える第一印象は非常に重要です。

ブランディングや差別化につながる

内装デザインは、クリニックのコンセプトやブランドイメージを視覚的に伝える手段でもあります。

競合が多い美容医療業界において、他院との差別化を図るためにも、内装の工夫は欠かせません。

「洗練された都会的な空間」「女性が安心して通える優しい雰囲気」など、コンセプトに基づいた内装は、そのまま集患力にも直結します。

スタッフのモチベーション向上

働くスタッフにとっても、内装はモチベーションや業務効率に大きな影響を与えます。

動線がスムーズで清潔感があり、休憩スペースが快適な職場であれば、日々の業務もスムーズに。

スタッフ満足度の向上は、結果として患者満足度にもつながります。

集患への影響

最近では、SNSやGoogleの口コミでクリニックを選ぶ人も増えています。

「おしゃれで清潔感のあるクリニック」は、それだけで来院のハードルを下げる強力な武器になります。

写真映えする空間は、自然とSNSでシェアされる機会も増え、集患効果を高めてくれます。

② 美容クリニックの内装で意識すべきポイント

美容クリニックの内装を考える際に意識すべきポイントについて解説します。

コンセプト

まずは「どのようなクリニックにしたいか」というコンセプトを明確にしましょう。

例えば「ラグジュアリーな空間で非日常感を演出したい」「気軽に立ち寄れるカジュアルな雰囲気にしたい」など、イメージを具体化することで、デザインの方向性も定まります。

ターゲット層に合わせる

内装はターゲットとする層によって大きく変わります。

  • 富裕層向け:大理石や間接照明を用いた高級感あふれる空間
  • 若年層向け:ポップでカジュアルな色づかいやSNS映えするインテリア
  • エイジングケア中心の層:落ち着いた色調と清潔感を重視した空間

ターゲット層を明確にすることで、内装デザインもより効果的になります。

プライバシーへの配慮

美容施術はプライバシーが重視されるため、個室設計や音漏れ対策、他の患者と顔を合わせない導線の工夫なども大切です。

安心して施術を受けてもらうための空間設計が求められます。

導線設計

受付から待合室、診察室、施術室へのスムーズな動線設計は、患者さまのストレス軽減につながるだけでなく、スタッフの業務効率にも影響します。

可能であれば医療系の内装設計に強い業者と相談しながら進めましょう。

③ 美容クリニックの内装事例

実際のターゲット層やコンセプトに合わせた内装の一例をご紹介します。

ラグジュアリー(高級感)

  • 大理石調の床やカウンター、間接照明、落ち着いたトーンの家具で非日常を演出。
  • 富裕層やVIP層をターゲットにする場合に有効。

 

リラックス

  • 木目調の内装、観葉植物、アロマディフューザーを活用。
  • 落ち着いた空間で安心感を重視する患者に適しています。

 

スタイリッシュ

  • モノトーンの色調、直線的なデザイン、ガラスやメタル素材を活用。
  • 都心型・男性患者を意識したクリニックなどにおすすめ。

 

親しみやすい(若年層向け)

  • パステルカラーや可愛いフォント、フォトスポットの設置など。
  • SNS映えを意識した設計で若年層の集患に有効です。

④ 美容クリニックの内装にかかる費用の相場(費用を抑えるポイント)

クリニックの内装費用は、もちろんどのくらいのクオリティにするかによって大きく異なりますが、一昔前は1坪あた30万円程度が一般的な目安とされていた時代もありましたが、近年は資材の高騰などにより1坪あたり60万円程度になっており、ますます高騰が進み2025年では80万円程度を見ていることも増えてきました。

たとえば30坪の場合、約2400万前後、50坪なら4000万円になるケースも多くあります。

当然、医療機器などの購入はこのほかにかかりますから、都市部では1イン開設するのに1億を超えることが多くなってきました。

もちろん規模によるので一概には言えませんが、予算がかかればかかるほど資金調達が大変になりますし、返済は大変になります。

 

近年は保険診療をやらず自由診療のみの診療所に対して、金融機関はかなりシビアになっています。

ほぼ無制限のように簡単に貸してくれていた時代ではなく、開設・管理者の先生のこれまでの経歴や職業経験、事業計画などの確からしさや、現預金がなければ大きな融資が受けづらくなっています。

できる限り抑えらえるところは抑えるのも戦略となります。

費用を抑えるポイント

  • 中古物件の活用

すでに給排水・空調が整っている居抜き物件を選ぶことで、初期費用を大幅に削減できます。

分院長不在、マーケティングの不足などで開設後程なくして廃院するケースも増えてきていますから、そこを買い取るのもチャンスです。

また、クリニックでなくてもエステなどの美容サロンなどの居抜きもあったりします。

気をつけなくてはいけないのは、エステなどの美容サロンは診療所ではないので、診療所としての構造要件を満たしていない場合があります。

診療所として認められるには、要件を満たしている必要がありますから、図面をもとにまずは医療法に詳しい行政書士に相談をし、保健所と事前協議をしてから物件の契約をするようにしましょう。

契約してから要件を満たさないことがわかり、大幅な工事が必要となると大きな損失となりますし、診療所が開けないとなると大ダメージになります。

まずしっかりと事前に医療法に詳しい行政書士に相談をしましょう。

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  • 複数の業者から見積もりを取る

相見積もりを取ることで、適正価格がわかるだけでなく、デザインの提案内容も比較できます。

また、医療系に強い業者を選ぶことで、許認可対応や医療機器の搬入にも安心です。

診療所の設計設計をしたことがない業者は少々危険です。

作ったはいいものの、診療所としての構造要件を満たさず改修が必要になるケースもあります。

 

⑤ 美容クリニックの内装デザインを成功させるためのポイント

美容クリニックの内装デザインを成功させるためのポイントは下記のような点です。

  • コンセプトを明確にする
  • 信頼できる業者を選定する
  • 患者目線での導線設計を行う
  • 行政手続き・許認可の重要性

コンセプト設計を明確にする

全体の方向性がブレないよう、どこかに違和感が出ないよう、内装・ロゴ・Webサイト・サービス内容まで世界観に一貫性をもたせることが重要です。

信頼できる業者を選定する

美容クリニックの施工実績が豊富な業者を選びましょう。

医療機器や法規制に配慮した設計ができるかどうかも判断基準となります。合わせて、医療に詳しい行政書士との相談も必要です。

患者目線での導線設計を行う

患者がどう動くか、どこで不安を感じるかをシミュレーションして設計することが重要です。

待合室の配置や受付の見え方、トイレの位置など、細部への配慮が満足度に直結します。

行政手続き・許認可の重要性

美容クリニックの開業には、内装設計以外にも保健所への届出、消防設備の確認、開設届、広告ガイドラインの遵守など、さまざまな行政手続が必要です。

診療所開設には、保健所職員の実地検査がありますので、それをクリアしなければ開設ができません。

内装が完成してからNGが出ると改修工事が必要になったり非常に大変なことになります。

開業日が遅れてしまうリスクも。設計段階から「医療法に準拠しているか」「非常口や換気設備は基準を満たしているか」などを確認し、行政対応に強い施工会社や行政書士と連携することが大切です。

⑥ まとめ

美容クリニックの内装は、ただ「おしゃれ」なだけでは意味がありません。不必要にお金をかければ良いというものでもありません。

ターゲットに合わせたコンセプト設計、スタッフ・患者双方の導線設計、行政手続きへの対応など、複合的に考えることで、真に成功する内装デザインが実現します。
内装は、クリニックの「顔」であり「ブランド」です。事前にしっかりと詳しい専門家と相談をしながら、慎重に、そして戦略的に設計を進めていきましょう。

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