【2025年最新版】東京都で医療法人を設立する流れと必要手続き|行政書士が解説

医療法人化

2025/9/20 2025/10/16

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この記事の監修

古川 晃

行政書士法人RCJ法務総研 代表 / 行政書士 
株式会社リアルコンテンツジャパン(経済産業省認定経営革新等支援機関) 代表取締役

古川 晃

医療許認可の専門家として17年、医療法人設立・分院開設・合併・解散・一般社団法人による診療所開設など医療許認可1500件以上 クリニック様の助成金・補助金・融資などの資金調達100億円以上の支援実績

東京都で医療法人を設立するには?

クリニックを開業・運営する際、「医療法人を設立するべきか」というテーマは多くの経営者が検索し、関心を寄せる重要な課題です。
個人開業のままではなく医療法人化することで得られるメリットには以下があります。

  • 節税効果(所得の分散・役員報酬・退職金制度の活用)
  • 資金調達力の向上(金融機関の融資が有利に)
  • 事業承継のしやすさ(親子間や第三者承継)
  • 信用力アップ(採用・患者集客・提携の際に有利)

ただし、そもそも医療法人の設立認可を管轄するのは診療所の住所がある都道府県(政令指定都市はその市)となり、それぞれが独自の解釈や基準(ローカルルール)をもっているため、それぞれの地域によって細かな部分が違っていて、どの地域でも同じというわけではありません。

そんな中で、実は東京都は全国でも医療法人設立の審査が厳しい自治体であり、何かしらの違法状態があったり申請書類や経営計画に問題があると認可が下りず、スケジュールに大きな遅れが生じるリスクがあります。

また、この医療法人設立認可を代行できるのは法律上行政書士となりますが、この行政書士にも実は専門分野があり、自動車や建設業を専門としている行政書士は多いですが、医療を専門として経験豊富な事務所は数少ないのが現状です。

申請できる期日は年2回、8月、3月(変更もある)などと決まっているため、不慣れな状態で行って期限に間に合わず次回にせざるを得なくなったということをしばしば耳にします。

早いうちに、医療許認可に明るい行政書士と連絡を取っておきましょう。

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医療法人設立の流れ(東京都の場合)

1. 事前相談(東京都福祉保健局)

医療法人設立は、まず東京都福祉保健局 医療法人担当課への事前相談から始まります。
この段階で以下の内容などを確認されます。

  • 設立趣旨・必要性
  • 設立する法人形態(医療法人社団)
  • 事業計画(診療所の所在地・規模・診療科目)
  • 設立代表者や役員(理事(長)監事)の適格性
  • 事業計画、収支予算の確からしさ(永続性)

2. 必要書類の準備

東京都の医療法人設立申請には膨大な書類が必要です。主なものは以下です。

  • 定款(法人の基本規則)
  • 設立趣意書
  • 事業計画書・収支予算書
  • 設立者・役員の履歴書、資格証明
  • 資産証明(出資金や財産の状況)
  • 診療所の平面図
  • 診療所が賃貸の場合、賃貸借契約書、土地建物の謄本

など

3. 設立認可申請

書類を揃えて東京都福祉保健局に申請します。

申請から認可まで、医療審議会を経ておよそ6ヶ月程度かかります。

そして、認可後に設立登記や保健所への開設許可、保険診療を行う場合は保険医療機関指定、施設基準・公費医療などの届出など順次行っていくと、実際に法人として診療を開始できるのはおよそそこから2ヶ月前後になることが一般的です

認可審査では、非営利性、永続性の観点で、経営の健全性、医療安全、ガイドライン遵守などが重視されます。

4. 認可後の登記

東京都から設立認可が下りたら、法務局で法人登記を行います。

ここで初めて「医療法人」としての法人格が発生します。司法書士が担当します。

5. 開設許可申請・保険医療機関の指定

医療法人として診療所を開設するには、さらに保健所への開設許可申請が必要です。

加えて、保険診療を行う場合は保険医療機関の指定申請も欠かせません。

さらに、施設基準・公費医療など個人開設の際に届出ていたものは、全て法人として届出をする必要があります。

東京都における医療法人設立の難しさ

東京都は人口が集中し医師数も多いため、他の地域と比べて医療法人設立の審査基準が厳格です。
例えば以下のような注意点があります。

  • 書類の不備や誤記載があると、即座に補正対応
  • 事業計画の数字の裏付けが甘いと「採算性に問題あり」と判断される
  • 役員構成に問題があると指摘を受けやすい(監事の要件など)
  • ガイドライン違反の可能性がある広告戦略は即アウト

しばらく本申請に進むまでの間に、何度も質疑応答のキャッチボールが続きます。

医療の行政手続きに不慣れなままやろうとすると、認可が下りないリスクが極めて高いのです。

行政書士に依頼するメリット

そこで重要になるのが、医療法人設立を専門とする行政書士を側に置くことです。

行政書士に依頼するメリットは以下です。

  • 東京都特有の審査ポイントを熟知している
  • 書類作成・添削で差し戻しリスクを最小化
  • 事業計画書や収支予算の根拠づけをサポート
  • 保健所・福祉保健局との事前相談に同席し、やり取りを代行

逆に、専門家を使わずに独力で進めると…

  • 次回の申請締め切りに回される(半年の遅れ)
  • 個人事業の時期が伸びる(所得税率)
  • 金融機関との融資交渉に遅れ(法人格がないと進められない)

といった経営上の損失につながる可能性があります。

医療法人設立にかかる費用と期間の目安(東京都)

費用の目安

  • 行政書士報酬(許認可):50〜150万円

ケースバイケースだが、大体100万円前後になることが多い

  • 司法書士報酬(登記):5万円前後
  • 保健所手数料:18,000円前後(場所による)
  • 登録免許税 無し

 

期間の目安

  • 事前相談〜申請:約1〜2か月(できれば長く取った方が良い)
  • 審査期間:約6か月
  • 登記・開設許可:約1〜2か月

 

東京都の場合、多少の変更はあり得るものの、3月、8月の年2回の申請期日があり、そこに照準を合わせて間に合わせる必要があります。

間に合わなければ次回半年後の申請になります。

まとめ:東京都での医療法人設立は専門家への早期相談が成功のカギ

東京都で医療法人を設立することは、クリニックの経営基盤を強化し、将来的な承継や発展に大きな意味を持ちます。

しかし、行政手続きは複雑かつ厳格であり、独力での申請は時間的・経済的なリスクが大きいのが実情です。

医療法人の設立をスムーズに進め、開業スケジュールを守りたい経営者の方は、早期に専門の行政書士にご相談ください。

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