【医療業界必見】外国人スタッフの採用と在留資格の注意点|クリニック経営における法的リスクと対策
クリニック開業・経営
2025/6/19
2025/6/19

この記事の監修

行政書士法人RCJ法務総研 代表 / 行政書士
株式会社リアルコンテンツジャパン(経済産業省認定経営革新等支援機関) 代表取締役
古川 晃
医療許認可の専門家として17年、医療法人設立・分院開設・合併・解散・一般社団法人による診療所開設など医療許認可1500件以上 クリニック様の助成金・補助金・融資などの資金調達100億円以上の支援実績
近年、クリニックをはじめとした医療機関において、外国人スタッフの採用が加速しています。
医療ツーリズムなど、外国人が日本の医療を受けに来ることも増えてきて、通訳の需要も高まっています。
医療通訳や看護助手、受付、クレンリネス業務など、語学力や人手不足の観点から外国人材の活用は現場にとって重要な戦力となっています。
しかし、在留資格の確認や雇用手続きに不備があると、クリニック自体が重大な法的責任を負うリスクがあることをご存知でしょうか?
本記事では、医療クリニックの経営者が知っておくべき「外国人従業員の在留資格」について、採用から雇用継続における注意点、行政書士に依頼すべき理由まで徹底解説します。
1. 外国人スタッフ雇用の現状とニーズ
- 看護助手、受付、医療通訳など多様なポジションでの採用
- 高齢化・人手不足の影響で外国人材のニーズは今後も拡大
- 多言語対応を求める患者ニーズにもマッチ
こうした背景から、技能実習生や特定技能などの制度を活用した人材雇用が増加傾向にあります。
2. 採用時に確認すべき在留資格の種類
外国人を雇用する場合、在留カードの確認だけでなく、就労可能な在留資格であるかのチェックが必須です。
主な就労可能な在留資格の例
在留資格 | 雇用の可否 | 主な職種例 |
技術・人文知識・国際業務 | 可 | 医療通訳、事務 |
特定技能 | 可(医療分野は限定的) | 介護、清掃など一部可能 |
永住者/定住者/日本人の配偶者 | 可 | 原則として制限なし |
留学/家族滞在 | 不可(資格外活動許可を得た場合を除く) | 原則アルバイト可(週28時間以内) |
※「医療」そのものの業務(医師、看護師など)については、国家資格を保有した上で特別な資格要件が必要になります。
3. 医療機関で働ける在留資格の具体例
医療通訳の場合:
- 「技術・人文知識・国際業務」資格での採用が一般的
→ 医療機関と業務内容が一致していないと許可されないことも
看護師・介護福祉士:
- 「看護師」資格者の場合:外国人看護師の国家資格が必要
- 介護職の場合:「特定技能」または「介護」在留資格が必要
清掃や受付業務:
- 「定住者」「永住者」「日本人の配偶者等」など就労制限のない資格を持つ者であれば可
→「技能実習」では原則不可
4. 在留資格の誤用・不正就労のリスクと罰則
クリニックがよく陥るのが「就労不可の在留資格」での雇用です。
違反した場合のリスク:
- 外国人本人の退去強制・在留資格取り消し
- 雇用主に対しては最大3年以下の懲役または300万円以下の罰金
- 保険医療機関の指定取消など、経営継続に関わる重大な影響
5. 在留資格の更新・変更で発生しやすいトラブル
採用時に在留資格を確認していても、更新忘れや変更許可未取得などで知らぬ間に不法就労になっているケースも。
よくある失敗例
- 在留期限の確認漏れ
- 職務内容と在留資格のミスマッチ
- 変更手続きが間に合わず就労継続できない
こうしたミスは、クリニック側の管理責任が問われる事案となりかねません。
6. 雇用手続きと管理体制の整備
外国人従業員を適法に雇用・継続勤務させるには、以下の管理体制が求められます。
- 在留カードの定期的な確認
- 雇用契約書への就労内容の明記
- ハローワークへの外国人雇用状況の届出(外国人雇用状況届出)
- 在留資格更新・変更のスケジュール管理
また、雇用後の日本語支援、労働環境の整備も重要です。
外国人材の離職リスクを防ぐ意味でも体制づくりは必須です。
7. 行政書士を活用するべき理由
在留資格に関する手続きや判断は、非常に専門性が高く、素人判断で進めると重大な違反リスクにつながります。
行政書士ができること
- 採用前の在留資格チェック・適法性診断
- 雇用に必要な在留資格の変更・更新申請代行
- 在留資格に関する書類作成・出入国在留管理局との対応
- 外国人従業員のトラブル相談対応
クリニック経営における法的な安心感と人材活用の最適化を両立できるパートナーが、在留資格業務に精通した行政書士です。
8. よくある質問とクリニック側の対応策
Q1. 留学生を受付スタッフとしてアルバイト採用できる?
「資格外活動許可」を取得していれば、週28時間以内で可。ただし業務内容は制限されます。
Q2. 清掃業務を外国人に委託したいが問題ないか?
雇用契約であれば在留資格の確認が必須。業務委託なら対象外だが、実態が「偽装請負」にならないよう注意。
Q3. 在留資格の更新が間に合わなかったら?
不法就労となるため、速やかに行政書士に相談を。入管からの通知を無視するのは絶対NGです。
9. まとめ:法令順守と安心経営のために
外国人スタッフの雇用は、今後の医療現場においてますます重要となります。
しかし、在留資格の誤用や管理不備によって、経営に深刻なダメージを受けるクリニックも増えています。
医療機関として信頼を損なわず、患者にもスタッフにも安心な体制を築くには、
専門の行政書士と連携し、在留資格の適正管理を徹底することが不可欠です。
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