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COLUMN コラム

公益財団の会計に関する諸課題について 

公益財団などの法人における会計上の課題とは

平成29年度の公益財団法人などの公益法人の会計に関する研究会の検討結果やそれに関連する公益法人会計基準の運用指針の一部改正案について、平成30年4月24日から約1ヶ月間、意見募集が行われました。
様々な意見や要望が寄せられ、公益認定等委員会の審議を経て6月15日にそれぞれ決定されました。
公益財団法人の設立を検討している人は、会計に関する諸課題について知っておきましょう。
公益法人の会計に関する研究会は、公益法人の会計に関する実務上の課題、公益法人を取り巻く新たな環境変化について検討するために、内閣府公益認定等委員会の下に発足しています。
平成29年度の研究会においては、28年度報告において引き続き検討を行う必要があるとされた特定費用準備資金の運用の点検や遊休財産算定時に控除される財産の明確化について検討を行い、その結果を踏まえた上でさらに議論を深め、法制度面での検討を行いつつ、一定の結論に達することができたとされています。



公益法人における特定費用準備資金

公益法人制度では公益目的事業に係る収入と費用の均衡、遊休財産額の保有の制限などの財務に関する規律が定められており、公益目的事業を適切に実施するために必要な一定の資金を積み立て、遊休財産額算定時に控除する特定費用準備資金が設けられています。
これらの仕組みの趣旨を正しく理解し、適切な運用を行うことが求められますが、内閣総理大臣認定の約2400法人中、20%程度の法人しか活用されていません。
より多くの公益法人が特定費用準備資金を活用することができるようにするためには、まず、特定費用準備資金の要件を明確化しなければなりません。
そのために特定費用準備資金を弾力化し、これまで認められていなかった計上方法を認める必要があります。
しかし、公益財団法人の収入が減少する危険性があり、特定費用準備資金では十分に対応することができないという課題も生じているのが現状です。
そこで、将来的に収入の安定性が損なわれる恐れがあり、法人の責に帰すことができない場合は特定費用準備資金の計上を認めることとされました。
検討が必要な課題が明らかになり、今後の環境の変化や実務の積み重ねなどに生じる会計上の課題について、これからも適切に検討し、公益活動を行う公益財団などの法人の運営の基盤となる会計の改善を図ることが大切です。